コイビトは
「ラヴィコは?」


「え?」


「ラヴィコとそのコだったら、どっちが好み?」



唐突にそう切り出されて、俺はハッとした。




さっきから、手持ち無沙汰な俺は、無意識に、ずっとラヴィコの頭を撫でていた。






ラヴィコの髪は柔らかくて、額は温かくて、触っていると落ち着いた。




…けど、やっぱり女の子の髪とか勝手に触るのは、まずいよな。リディルルももしかしたら気に障っていたのかもしれない。



いや、ラヴィコのほうが俺に倒れてきたんだから、膝枕をしているのは不可抗力だと言いたいけれど。




でも、リディルルはどうしてそういう聞き方をするんだろう。





…そんなこと、答えられない。
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