コイビトは
俺が何も言わないのに、リディルルはムッとした表情で俺を見た。


それに気づいた俺は、さすがに何かとりあえず、何か言おうと口を開こうとしたら、


「!?」


ラヴィコが急にびくりと体を震わせて、飛び起きたので、俺も驚いた。



「あ、ああーっ、ごめんね、あたし、もしかして寝てた!?」


「もしかしても、思いっきり寝てたよ」


「わああ、ごめんね」


少しはれた目。


真っ赤なほっぺをして、ラヴィコは俺を見ずにうつむいた。


俺はそんな彼女を見て、むしろ…和んだ。



「徹カラなんて、無理言って。疲れてるんでしょ、出るとき起こしてあげるから、もう少し寝てなよ」


リディルルがラヴィコに声をかけると、ラヴィコはうなづいて、またこてんと…今度はイスに頭を乗せて、すぐにすやすやと寝息をたてはじめた。
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