マスカラぱんだ
今までお医者様の表情を見せていた先生は、私から視線を逸らすと後ろを向いてしまった。
どうして先生がそんな態度を取るのか、理由がわからない。
もしかして私。先生を怒らせること言っちゃったの?
後ろを向いている先生のシャツの裾を、そっと引っ張りながら恐々聞いてみる。
「葵先生?怒ったの?」
「怒る?そうだね。そんな無防備なことを他の男に言ったら怒るね。」
無防備?
先生の言葉の意味がわからず、ただ戸惑うばかり。
そんな中、振り返った先生に私は突然抱き締められていた。
え?何?どうして?
何が何だか、わからない。
だた、先生に抱き締められて。
嬉しさが込み上げてしまった私は、また頬が火照るのを実感する。