マスカラぱんだ


そんな私の頭をポンポンと優しく撫でながら、先生は苦笑いをしながら話を始めた。


「紫乃ちゃん、憶えているかな?僕は彼女がいい。って、言うまでは狼にはならない。と、話したのを。」

「はい。」


もちろん憶えている。

初めて先生と公園で話した時に、私は思わず聞いてしまった。

『お兄さんも狼になるんですか?』って。

先生の返事はもちろん、紳士的な答えだったのを思い出す。


「だから僕は紫乃ちゃんがいい。と言うまでは狼にはならないから。安心して。」


先生のこの言葉を聞いた瞬間、また胸がギュンと音を立てた。

ああ。先生は本当に私を大事に想ってくれていると感じて。嬉しくて想いが溢れる。


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