マスカラぱんだ
「葵先生。ありがとう。大好き。」
「僕も好きだよ。でも、この部屋にふたりきりはいい加減辛いかも。出ようか?」
「はい。」
先生のほんのりと赤い顔は、私をホッとさせてくれた。
だって、私ばかりがこんなにドキドキして、恥ずかしいのかと思っていたから。
先生も私と同じ気持ちだとわかって、嬉しい。
ソファから立ち上がった私の腕を、先生の大きな手で不意に掴まれる。
「紫乃ちゃん?」
「何?葵先生?」
「その。最後にもう一度・・・。」
そう言った先生の顔が、徐々に自分の唇に近付いて。
瞳を閉じて重なった先生の唇は、熱くて蕩けそうなくらい甘かった。