Frist time
トゲトゲした荒っぽい口調。
キッと俺を睨み付けた目。
どの部分も俺にとって初めて見るあいつの姿だった。
どういうことなのか、全く理解出来ない。
唯一分かることと言えば、
「…俺を騙してたんだな。」
怒りのこもった低い声を玲菜にぶつける。
玲菜は俺の言葉を聞くと何かを我慢しているかのように、唇をギュッと噛み締めた。
そんな玲菜を見ても、俺の怒りは当然おさまらない。
「落ち込んだ俺を見て面白がってたのか?
お前は何がしたい訳?
まじで、最悪なやつだな。」
怒りが頂点に達した俺は、思い付いた言葉をすべて吐き出した。
騙された自分にも腹がたつし、何のために俺を騙していたかも分からない。
理解できない。
頭の中、ぐちゃぐちゃだ。