Frist time


次の日の朝、学校に来るといろんな人から

「翔、どうした?」

と言われた。

それもそのはず。
昨日は玲菜とのことが頭から離れなくて、一睡も出来なかった。
そのせいで目の下にはくまが出来るし、目が虚ろ。
朝に鏡を見たときはかなり焦った。


この調子だから朝練も身が入らなくて、全然上手くいかなかった。
本当に、俺は何をやってるんだろう。


女一人のことだけでこんなになるなんて、まじで情けねぇ。


俺のそんな様子を見兼ねてか、亮が俺にわざとらしく飛びついてきた。

「翔!
明日はぱーっとみんなで盛り上がろうぜ!
クリスマスだってのに、このクラスはどうやらかなり集まりがいいらしくってよ~!」


俺は機転の効かない頭でとりあえず「おう」とだけ返事をした。



これを見て亮がため息をついたのは言うまでもない。


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