Frist time
「「メリークリスマース!!」」
狭いカラオケの部屋には見渡す限りの男、男、男。
それもそのはず、彼女がいないロンリー同士の慰めカラオケパーティーだからだ。
昨日まだ俺がしょげていた時に亮に誘われていたので、しょうがなく来てやった。
もちろん無理矢理嫌がる宏も引き連れて。
「いえーい!
お前ら盛り上がってるかー?」
「…いえーい」
ノリノリの友達から突き出されたマイクをテンションが低い俺と宏は押しのけて、軽くかわした。
そして二人でお決まりのため息。
いくら独り身だからと言っても、これはなぁ…。
「ここ、かなりむさ苦しいから外に行って来ようぜ」
「賛成」
いつもなら寒い所が嫌だと断る所だが、宏の誘いを快諾した。
このむさ苦しい男だらけの部屋にいるよりははるかにましだ。