Frist time


「っしゃあー!
やってやるしかねぇよな。」


冬空に向かって宣戦布告。
俺の隣で宏も決意に満ちた顔をしていた。


やっぱ宏は誰でも落とす、その爽やかな笑顔がなくっちゃな。


そしてもう1つ俺が出来ることて言ったら、



「気を取り直して、みんなと最高に騒いで、盛り上がって、いっぱい思い出作ろーぜ!」



もう、これしかないだろ。



「おう!そーだな!」



二人でまた、あのむさ苦しい部屋に戻ると、なぜか静まりかえっていた。
いつの間にか居なくなってた俺たちを心配してたらしい。


いい奴らじゃねぇか。



俺は近くにあったマイクを手にとり、耳がキーンと鳴るほど叫ぶ。



「お前ら、こっから盛り上がっていくぞー!」


「「「いえーい!!!」」」




こうして盛り上がったロンリー同士カラオケパーティーは店の閉店まで続き、俺たちの騒がしさは店の中で武勇伝として語られたらしい。


< 129 / 154 >

この作品をシェア

pagetop