Frist time
「っしゃあー!
やってやるしかねぇよな。」
冬空に向かって宣戦布告。
俺の隣で宏も決意に満ちた顔をしていた。
やっぱ宏は誰でも落とす、その爽やかな笑顔がなくっちゃな。
そしてもう1つ俺が出来ることて言ったら、
「気を取り直して、みんなと最高に騒いで、盛り上がって、いっぱい思い出作ろーぜ!」
もう、これしかないだろ。
「おう!そーだな!」
二人でまた、あのむさ苦しい部屋に戻ると、なぜか静まりかえっていた。
いつの間にか居なくなってた俺たちを心配してたらしい。
いい奴らじゃねぇか。
俺は近くにあったマイクを手にとり、耳がキーンと鳴るほど叫ぶ。
「お前ら、こっから盛り上がっていくぞー!」
「「「いえーい!!!」」」
こうして盛り上がったロンリー同士カラオケパーティーは店の閉店まで続き、俺たちの騒がしさは店の中で武勇伝として語られたらしい。