男装人生


って、寝られるはずがなかった。


恭の色っぽい顔が頭にちらついて離れないのだ。

後1週間。
毎晩続くのだろうか。

耐えれる自信ない。

光や恭、架衣斗に・・・




最近男言葉にも慣れてきて、それなりに男装も様になっているような気がしていた。

でも、ただ一つどうしてもわからない事がある。
理解できないのだ。

男心が。


男の人が女心がわからないと言うように私には、皆の感じていることや考えていることがさっぱりだ。



今日の恭だって、赤らめたあの顔はなんだったのか。
すぐにいつもの恭になったってことは、大したことではなかったってこと?

それとも・・・

悶々と考えてしまう。

今夜は眠れそうにない。



カタ・・・

怜悧の背中の方から起き上がる気配がする。

とっさに目を閉じたが、薄目で私を跨(マタ)ぎ隣の部屋へと行こうとする恭の背中を確認した。

一時経っても帰ってくる気配がない。



どうして、私が寝るのを待って移動したんだろう?

あー

やっぱり、わからない。



だが、恭が居ないってだけで、無意識の緊張から解き放たれ、眠りに落ちる怜悧だった。

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