男装人生



「忙しいんだから、問題起こすなよー?後は適当にやっといてくれ。んじゃな。」


足早に教室を後にする鮫島。
相当採点を早く終わらせたいようだ。


他の生徒たちも帰る支度を始めだす。



「ショートホームルームはいいのか?」


「やることやっていれば問題ないですよ。」


前の席の恭がクルリと振り返り、怜悧の独り言に返事をした。
ぼそぼそとした声だったのに聞こえたようだ。


「怜悧たちは最後までいた方がいいですね。」


「なんで?」


「戸締り、後始末も立派なクズのお仕事ですよ。」


「そういうの案外厳しいからな~やらないと後が怖いぜ・・・」


「そうなんだ・・・」


指示されていなくても、気づかなけれないけないこともあるようだ。
クズって、面倒くさい。



「それにしても、怜悧はテスト上手くいったみたいですね。」


「へ⁉」


「怜悧は分かりやすいですからね。クスクスッ」


恭はよく見ている。
とうにバレていた。


解らないところも何ヶ所かあったが、今回は手ごたえがあった。
なんだかいけているような気がするのだ。


入試成績発表と時も大丈夫だろうとか思っていたがその時とはまるで違う。


自信がある。

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