男装人生


「8位は”天草鈴音”」


えっ⁉鈴音っ?


いきなり鈴音出たーー⁉


聞きなれぬ名前に教室がざわめきだす。


「天草はDクラスの生徒だ。だが中間の成績からAクラスが妥当だと会議のすえ決定した。明日から、天草もAクラスだ。」


"Dクラスから⁉"

"スゲー"

"カンニング・・・じゃないよな・・・"


さまざまな声が飛び交う。


そして、一際大きな声で不安げな様子の男の子が声を上げる。
確か前、1点差で圭也に勝った少年だ。


「天草・・・くんがAクラスに来るということは、誰かがCクラスに行くことになります・・・か⁉」



・・・その可能性考えてなかった。
私がギリギリでもAクラスに入れる成績だとしても、最下位だったならCクラスもあり得るということだ。

普段このクラスは40人。

鈴音を入れたら41人・・・。

本来、各教室に40人と決まっている。
進級でクラスが変わるのは聞いたことがあるが今回の場合は異例だったのだ。

鈴音は最初からそれを狙って頑張っていたのだが、怜悧はいまいちちゃんと理解できていなかったのを今更悔やむ。

理解してたって何も変わりはしないだろうけどさ。



「天草がCクラスくらいの成績だったならそのままDクラスのままだったんだが、あの成績でDクラスは勿体ないからな。アイツは異例だよ。相当成績が落ちていない限りクラスが変わることは無い。」


微かな希望が見えて、少しだけホッとする。
相当低い成績じゃないかぎり、ここにいられる。


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