執事と共に日常を。
「はい?」


きちんと整えられた黒い髪に、高い鼻に切れ長の目の青年。

表情は、不器用でお世辞にも豊かとはいえないが、真面目さを現していた。

端正ともいえるその顔。けれど、それを崩すように眉と語尾が跳ね上がる。


「だから、朝と夕方に日光浴をしに外の出たいのよ、春樹」

「……生理不順にお悩みですか、お嬢様」

「年頃の女の子になんてこと聞くのよ」


自ら言っておきながら――という理不尽な指摘に執事・春樹はため息をついた。
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