執事と共に日常を。
「散歩に行きたいなら、素直にそう言ったらいいじゃないですか」

「だって、いろいろ言われて駄目って言われるのは癪じゃない」

「黙って出ていかず、なおかつ遅くなりすぎずに戻ってくるのであれば何もいいません」


主人である恵理夜は、少女らしく唇を尖らせた。

しかし、反論はしない。


彼女は、なぜかただの散歩のはずなのに平気で2時間以上帰ってこない。

しかも、連絡もせずに忽然といなくなることもしばしばだった。

さらに、歩いている最中は連絡もろくに着かない。


恵理夜にとって、散歩とはそういうものだった。
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