執事と共に日常を。
「綺麗だ」


土手の向こう側から太陽の昇る気配がしていた。

だが、まだこちら側は暗い。

夜明け前、まさしく暁と呼ぶにふさわしい空だった。


「いつも、こうなる前にいなくなっていたから」


恵理夜は、カイロ代わりに握っていた缶を差し出した。


「開けてもらえる……?」


そう聞く恵理夜が急にかわいらしく思え、青年は頬を染めながらそのプルタブを開けてやった。
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