君の胸に鳴る音を、澄んだ冬空に響かせて



「あれ、正樹じゃん」

出席すべき講義を終え、今から練習部屋…と呼んでいるスタジオに向かうところで、門柱のわきに立つ正樹を見つけた。


「江口さん、今日暇っすか?」

「うん、暇」


なんで、こんなこと聞くんだ?
バンド以外暇人だってことくらい、お前も知ってるだろうが。


「あの、今日食事行きませんか?大嶋さんも誘ったんですけど…」

「あー、俺は」

…いいや。と言おうとした瞬間。


「あきらのバイト先なんすけど!」

「行く」

に決まってんだろ!

もしかして、正樹、気付いてるのか?



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