幸せの在りか
大分を抜けて、大きな街をいくつも通り過ぎ、段々と住んでいる町が近づいてきた。
家に着いたのは、夜10時を過ぎていた。
「ただいま。」
「疲れた…。」
「も…寝る。」
布団を敷くと、二人で倒れ込むように眠った。
あれから誠のタンスの上には、誠の両親の写真の横におばあちゃんの位牌が置かれ、お水も供えられた。
おばあちゃんの手紙の封筒の中には、誠と私、それぞれに通帳が入っていて、大切に保管する事にした。
そんな時、一通の手紙が届いた。
差出人は逮捕された男の父親からだった。