とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
右京がサリエルを連れてP2に戻ると『ご苦労さん』と声を掛けられた。
『とりあえず、順調だよ。しばらく休んでくれ。』
その言葉に右京はコートを脱ぐとソファに横になった。
サリエルがアランと話しているのを横目に、虎太郎が右京のそばに腰を下ろすと小声で話し掛けた。
『潤は大丈夫だったか?』
『あ~…ダメだった。あんなに敵意むき出しなのは初めて見たよ…』
『…一体何が…』
『あのしみったれが大鎌を…』
『ああ、もういい。聞かなくても判る。』
右京の言葉を途中で遮って溜め息を付く。
虎太郎は『それより』と少し真剣な顔をした。
『…サリエル様はうまくやれるだろうか…』
『まぁ大丈夫だろ。そっちよりラファエルが気になるがな…』
それに頷き、虎太郎は右京に疑問を口にした。
『ラファエル様はどっちかと言うと、感情よりも計算して動くタイプだと思うんだよ。
だとして、こっちには右京が居る。
それを分かってて仕掛けてくるかな…?』
『一理あるな…』
『恐らく力では右京が上だ。…頭は向こうが上かもしれないけど…』
確かに頭では…
…
『…おい…』
『ん?』
『誰が頭悪いって?』
『え!?言ってないよ、そんな事!』
『嘘付くな!言ってんじゃねーか!』
虎太郎を追い掛け回す右京をサリエルは目で追う。
『あれが…元熾天使…』
『彼はいつもあんな調子だよ。』
驚く彼の隣でアランはその様子を楽しそうに眺めるのだった。