とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
それぞれが作業に追われ、しずかな室内で突然ロイの笑い声が響き渡った。
それに驚き、みんなは顔を見合わせる。
笑いながら『俺様を舐めんなよ!?』とモニターに中指を立てるロイ…
その不審な行動に一瞬頭がおかしくなったのかと心配になった。
恐る恐るロイを覗き込んだダンに彼は勝ち誇った様にニヤリと笑みを浮かべた。
『今朝ヒューガが持ち帰ったデータの中に頻繁に連絡を取り合ってる人物が居たのさ。
例のウイッカのサイトにおなじIPアドレスがあったから恐らく同一人物だ。』
だが、その人物と連絡を取り合っていた形跡はあるものの、肝心な内容は全て消去。
ロイはそれの復元に成功したらしい。
『連絡はメッセンジャーで取り合ってた。』
モニターに出したログを見て、その量がかなり莫大な事に気付いた。
『すげー量だな…』
『最初はたわい話が多い。』
そのやり取りはまるで“出会い系”で知り合ったような雰囲気だった。
『文面からして気のよわそうな男ね。』
『なんか胡散臭いな…』
『だな…』
まるでシモンズの機嫌を損ねないようにしてる感じがする。
ニックはシンディを小突いてニヤリと笑った。
『どうだい、ハニー。こんな男は…』
『よして、ダーリン。私の好みじゃないわ。』
ふざけてカップルのフリをする二人に苦笑しながら右京はモニターを見詰めた。