とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
『…コレってクロウの事だよな?』
『…みたいだな…』
一斉にみんなの視線が右京に向けられた。
上等だ!
餌になってやるよ。
そんなに俺に会いたいなら…
会いに行ってやろうじゃないか!
『いいぜ。俺が誘い出す。
だが、人間相手にやり合うのはごめんだ。
サリエル…わかってんだろな?』
『大丈夫です。私が何とかします。』
右京がその言葉に頷くとアランはゆっくりと立ち上がった。
『よし、みんな!日付変更と共にミッションを開始する。
ロイはダンと交代で引き続きシモンズは監視。
ミッションスタート前に彼女に動きがある様であれば知らせてくれ。』
『了解。』
『クロウ。0時までにはヒューガを呼び戻してくれ。』
『オーケー』
アランの指示を聞きながらサリエルは『あの』とおずおずと手を上げた。
『私も何か…』
『必要ねーって。
俺らは言わば実行班だ。こいつらに任せておけば問題ない。』
そう言って軽くサリエルの肩を叩くと冷蔵庫に頭を突っ込む右京を目で追った。
“天使が人間の指示で動く”という奇妙な状況。
彼はそれを当たり前のように差して気にもしていないらしい。
『あなた不思議な方ですね…』
『そうか?大してコイツらと変わらないよ。』
そう言ってペットボトルを1つサリエルに手渡した。
『理解できないか?』
『ええ…まだ理解できない部分が多いです。』
その言葉に右京は『だろうな』とただ笑うだけだった。