とある堕天使のモノガタリⅡ ~MIDRASH~


snakeを出てビルの路地までリサを引っ張って行くと虎太郎はやっと振り返った。


『あそこは人が多かったから…実は…』

『ヒューガ…あんな風に誘えるのね…』


リサの言葉に虎太郎は『え?』と首を捻った。

ちょっと恥ずかしそうに頬を染めるリサを見て、やっと彼女が勘違いをしている事に気付いた。


『あの…リサ?違うんだ。そーゆー訳じゃなくて…』

『じゃあどーゆー訳?』


そう言いながら虎太郎の首に腕を回すと、リサは色っぽい眼差しで見つめた。


至近距離で自分を誘う彼女に虎太郎は一瞬思考が停止する。


唇が触れくらいまで近付いて見つめられると虎太郎は何も言えなくなった。



『…』



…これはマズいパターンだ!


ここで『君が欲しい訳じゃない』と本当の事を言えば、間違いなく“地雷”は爆発する。


だからと言ってここで抱く事なんて出来ない!


…いや、出来なくはないんだが、そんなワザをなんでここで披露しないといけないんだって話であって…


『ヒューガ…聞いてる?』

『え!?…聞いてるよ。

…なぁ、リサ…俺リサの事好きだよ。』

『どーしたの、本当に…知ってるわよ?』

『でも…抱けないんだ…』

『…』


一瞬固まったリサは虎太郎の下半身に目を向けた。


『ちっ…違う違う!激しく違うから!』

『一体なんなのよ!!下半身も準備万端じゃない!』

『だぁぁ~!!そーゆー事言うな!女の子だろ!?』


虎太郎は真っ赤な顔でため息をつくと頭を抱えた。



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