とある堕天使のモノガタリⅡ
~MIDRASH~
微か吹き込んで来た風に寒気を感じて目が覚めた。
自分の隣では夫がスタンドライトの灯りを頼りに本を読んでいる。
『あなた、まだ起きてるの?』
『ああ、起こしてしまったかい?』
時計に目をやると時刻は11時58分を30秒程過ぎた頃だった。
『もう0時じゃない…』
そばにあったガウンを羽織るとベットから這い出てバタバタと暴れるカーテンに近付いた。
『言ってくれれば私が閉めたのに…』
『いいわよ。』
そういいながら窓に手を掛けた時、外から何かが聞こえて手を止めた。
…歌声?
じっと動かなくなった妻を不審に思った夫は『どうしたんだい?』と声を掛けながら自分もベットから這い出した。
妻の隣まで来ると微かに外から何かが聞こえた。
『なんだ、こんな時間に…』
それがあまりにも綺麗な歌声でつい聞き入ってしまった。
そのうち意識がぼんやりとしてくる。
『さぁ、お散歩の時間よ。ふたりともいらっしゃい…』
綺麗な声にそう言われふたりはフラフラと歩き出した。
─これは夢?それとも現実?
よくわからなかったが体が勝手に動く。
─そのうち完全に意識を手放した─
玄関のポーチに腰を掛けてリサは歌い続ける。
しばらくしてフラフラと出てきた夫婦を見て目を細めた。
『いい子ね…こっちよ。』
踊るようにリサは飛び跳ねると公園の方にふたりを連れ出した。