永遠の色を重ねて


 立樹くんは私の顔を見上げると、ゆっくり首を横に振りました。


「ううん。大丈夫。」


 それだけ言うと再び前を向いて歩き出します。


 確かに顔色も悪くないですし、咳も出ていません。本人が言うからには大丈夫なのでしょうけれど…。


「…具合が悪くなったらすぐに言ってね?」


 立樹くんは一つ、コクリと頷いてくれました。


 やがて目的地に到着すると、みんなスケッチブックと色鉛筆を持って思い思いに絵を描き始めました。写生大会です。


 最近はずっと光崎さんの絵を見ていたせいか、色鉛筆の絵が何だか新鮮に映ります。


「うわ、みんな上手だなぁ~。」


 鈴鹿さんに習ってみんなの絵を覗いてみると、確かに驚く程上手です。


野花や風景、鳥や青空。


 最近の小学生は何においても大人顔負けのような気がします。


「…あら?」



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