発明王ショート
 二人が振り向くと、そこには担任の星野がいた。

成瀬は宝石のことがバレないよう、冷静を装う。


「あ、星野先生! えっと、もうちょっとで終わるんですけど」


「あらそう。お宝は見つかったの?」


「「え!?」」


 ショートと成瀬が同時に声を上げた。


「眞森くんの手、ずいぶん汚れてるから。宝探しでもしてたんじゃないの?」


「いや、これは、その……」


 あからさまに動揺するショートの足を踏んで、成瀬がその場を取り繕う。


「先生、草むしりしてたら手くらい汚れますよ。私も汚れてます」


「ふーん、そう。じゃあ、なにも見つけてないのね」


「はい。何にも」


「……それなら今日はここまででいいわ。お疲れ様」


「あ、先生、一つお願いしてもいいですか?」


「お願い?」


「懐中電灯を貸して欲しいんです」


「懐中電灯? なにに使うの?」


「もうちょっとなんで、せっかくだから最後までやりたいんです。でも、ちょっと暗くなってきたから、灯りが欲しいなって」


「なるほど、そういうことね。わかったわ。ちょっと待ってて」


 成瀬はうなずくと、懐中電灯を取りに、職員室へ引き返して行った。


「ふぅー、びっくりした」


「ちょっと、眞森君、顔に出すぎ!」


「ご、ごめん。でもさ、なんで懐中電灯?」
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