発明王ショート
 ショートはバッグから、本来持ち込み禁止のノートパソコンを取り出した。


「そう、これをパソコンに接続して……」


「学校にパソコン持ってきてるんだね」


 録画された映像が、ショートのノートパソコンに映し出される。


「よし、ちゃんと録画出来てる!」


「明るさも大丈夫そうだね」


「動きがあるまで早送りにしよう」


 2時間分早送りしたところで、成瀬が声を上げた。


「あっ、誰かきた!」


「宝石の場所掘ってるね」


「うん、でも顔が良く見えない……」


「あ、見え……た……」


 見えた顔には二人とも見覚えがあった。しかしそれは、田井ではなかった。


「「星野先生!?」」


 二人同時に叫んでしまったことで、授業中だった体育館から、声が聞こえてきた。


「なあ、今外から声聞こえなかった?」
「えー? じゃあ確認してみたら?」


 二人は顔を見合わせて、慌てて体育館裏から逃げ出した。


「誰かいんの?」


 体育館裏につながる扉から、田井が顔を出した。

田井は宝石が埋まっている壁際に目を向けたあと、その反対側に目をやった。

ちょうど、ショートと成瀬が走って角を曲がっていくところだった。


◆◆◆


 ショートと成瀬は体育館裏を抜けてすぐ、体育館の横で立ち止まった。


「あぶなかったー。あそこにいるの見つかったら、ぼくたちが疑われるとこだったよ」


「はぁ、はぁ、私、もう限界みたい」


「だから体力なさすぎだろ!」


「オオ、やっぱりショートだったか」


 体育館の入口の方から声が聞こえて、ショートと成瀬は同時にそちらを見た。
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