発明王ショート
「じゃあなんで殺したなんてことになるの? 愛し合ってたなら、殺すはずがないじゃん」


「父さんは……星野先生と同じ指輪をずっと付けてた。そのときは星野先生と付き合ってたなんて知らなかったけど」


 ショートは生きていた頃の父を思い出し、雨で濡れた頬を拭った。


「でも、父さんが死んだとき、その手には指輪がなかった」


「え……」


 確信に迫るショートの言葉。

星野は、無意識に胸元を掴んだ。ショートはその動きを見逃さなかった。


「星野先生ってよく、胸元をつかみますよね。そのネックレスのチャーム、見せてもらえませんか?」


 一瞬ためらった星野だが、それでも、観念したようにネックレスを服の中から取り出した。

そしてその先には、星野が手に持っているものと同じ指輪がついていた。


「あ!」


 思わず声を上げた成瀬を気にすることなく、ショートは自らの考えを星野に突きつける。


「星野先生は父さんが死んだあの日、研究所に火をつけた。そして、自分と関係があった証拠を消すために、その指輪を持ち帰った。ちがいますか?」
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