発明王ショート
「彼の声……」


 星野には、ショートの背中側から聞こえてきたその声が、間違いなく彼の父の声であることがわかった。

雨でぐちょぐちょになった地面に、へたりと座り込む。


「なにも、言わないつもりだったのに……」


 ぽろりと、こぼれた。


 そして、壊れたように、ぼろぼろと。


 雨にまじった、星野の涙。


「眞森君のお父さんが死んだのは、私のせいかもしれない」


「そんな!」


 すぐに声を上げた成瀬とは対称的に、ショートは怪訝な顔で星野を睨んでいた。

星野はふたりの様子を気にすることなく、ゆっくりと、語りだす。


「私たちは眞森くんに見つからないよう、何度も会った。年の差もあったし、眞森くんは喜ばないだろうと思ったから。


でもある時、気付いてしまったの。


彼が本当に愛しているのは、私と同じ「しょうこ」という名前の女性……つまり眞森くんのお母さんだってことに。


彼は私じゃなく、私を通して、眞森くんのお母さんを見てた。それが許せなかった。


私は彼と連絡を取るのをやめた。それでも、彼からは毎日連絡がきた。そして、あの日になった」
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