あたしの前だけ俺様王子☆
「あとは学級委員だけだね」
前で進行している生徒の一人が、そう呟いた。
「誰かやってくれる人ー?」
大きな声でみんなに問いかけるも、みんなからの反応はない。
…それもそうだ。
学級委員なんて、一番めんどくさい役職だ。
なにかの行事の際に開かれる委員会。
クラスでの話し合いなどがあれば司会進行をして、その結果を記録して提出する。
やりたいなんて思う人、なかなかいないよ。
そのとき、隣の席のアイツが急に立ち上がった。
あたしはゆっくりとアイツに目を向ける。
アイツはあたしの視線に気づいたのか、またいつもの笑みを浮かべた。
「……」
すっごい、嫌な予感がするんですけど。