あたしの前だけ俺様王子☆
急に立ち上がったアイツを、クラス中のみんなが注目する。
「僕、学級委員やりますよ」
人のよさそうな笑顔で、そう言った。
学級委員やるなんて、アイツも変なヤツだね。
めんどくさいのに。
「…小野さんと、二人で」
へぇ、小野さんと。
…って、
「えぇぇええ!?」
あたしの叫びが、微妙に静まりかえっていた教室にこだまする。
他のみんなは呆気にとられているのか、開いた口がふさがらないようだ。
「ちょ、なんでそうなるの!?
勝手に決めないでよ!」
そんな大変でめんどくさい委員会、絶対嫌だ。
しかもアイツと一緒なんて。
アイツと二人だけだなんて。
「でも、小野さんってなんの委員会にも入ってないよね?
学級委員は男女一人ずつって決まってるし、他の子たちは忙しそうだから。ね?」
最後の“ね?”は、なんなんだ。
それを聞いた女子たちみんなが目をハートにしてるし。
また、そうやって優しい優等生気取って。