[企]*white valentine*
しばらくするとチサが休憩から戻ってきた。
「戻りましたー……って、あれ?蓮さん来てる?」
休憩から戻ってすぐ、チサは窓際に座っている蓮さんの姿を見つけた。
「蓮さん、今日も徹夜らしいよ。仕事の休憩中だって」
「えー……また?働き過ぎー。遊ぶ暇ないんじゃん」
チサは不満そうに口をとがらせた。
「蓮さんの体は心配だけど……チサ、不満そうだね?」
「あ!つい蓮さんが彼氏だったらって妄想しちゃった!」
チサはペシッと頭を叩くと無邪気に笑った。
……蓮さんが彼氏……ねぇ。
楽しいのは確実。
旅行なんて出かけたら現地の人とすぐ仲良くなりそうだし。
だけど、その旅行でさえ忙しくっていけないかもしれない。
……って、私までなんで本気で考えちゃってるだろう。
一人恥ずかしくなって頬に手をあてると、先ほどの火照りの余韻が残ったままだった。