僕らの赤い糸は最初から


アイツと会ったのは、

いや、存在を確認したのは、

高校二年になった、春だった。

俺は一年の時同様、学級委員に推薦され、

それを受けた。

そんな時だった。


「はい、はい!!
 あたし副やる―――!!」


思いっきり手を挙げ、

大声を出す、
その少女にクラス中が注目した。


「えーっと…、
 渡草…絵里だな??」
「そうでーす♪」
「え、絵里出来んの??;」
「うん、やりたい♪」


友達らしき女子が心配する中、

黒板に俺とその少女の名前が
白く浮かび上がる。


「じゃあ、有坂 遥と渡草 絵里…、
 この二人に頼むな。」
「…はい。」
「了解でーす♪」


テンションの違いに
少しざわくめく教室の中、

俺たちは前に立って、

学級会を進めていった。

渡草…、という少女は
楽しそうに黒板に字を書いていく。



その字が思いのほか綺麗だった事を
俺は今でも覚えている。



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