オフィスの甘い罠
「えっ!?」



これ着て仕事しろってことなの!?



「着れないわよ、こんなの」



昼間のあたしがこんな
高級ブランドのスーツ着る
なんて、アンバランスも
いいとこじゃない。



全部フタを閉めて突き
返そうとしたけど、柊弥は
軽く眉をひそめて、



「んじゃ何着て働くってんだ?

お前はオレの秘書なんだ、
こっちが恥ずかしくなる
ようなカッコはゴメンだぜ」



「な――……!」



なりたくて秘書になるわけ
じゃないのに、なんで
こんな言い方されなきゃ
いけないのよ!?



だけど怒りの表情のあたし
なんて気にもせず、柊弥は
続けて、



「メイクもきっちりしろよ。

あ、それとメガネも禁止な」



「はぁっ!?

ちょっと待ってよ、なんで
メガネまで指図されなきゃ
なんないの!?」
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