オフィスの甘い罠
張り詰めた沈黙が、二人の
間を流れた。



その静けさに痺れを
切らしたあたしがもう一度
口を開きかけた時。



――ようやく柊弥が、
小さなため息と共に
その答えを口にする。



「……そうすれば、オレの
世界も面白くなるかと思ってな」



「え…………?」



その言葉の意味が理解
できず、あたしは怪訝な
顔で首をかしげた。



柊弥はそこで初めて
あたしから視線をそらして
窓の外を見ると、



「ゲームだよ。

それで、お前の世界も
オレの世界も面白くなれば。

一石二鳥の、楽しいゲーム
じゃないか」



(柊弥…………?)



言ってるイミはさっぱり
わからない。



だけど柊弥は、それ以上
説明する気はないみたいだった。
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