オフィスの甘い罠
包みって言ってもあたしの
両手に乗るくらいの小さな物だ。



上品な包装紙とリボンで
きちんと包装されてて、
ちゃちな感じはしないけど。



「こんな物であたしの
ご機嫌とれるとか思わ
ないでよね。

今日はいろんな男から、
山のように高級ブランドの
バッグとか財布とか
もらってんだから」



ソワソワしてる内心を
隠したくて、そんな憎まれ
口をたたくと――。



「え? お前、そんな物
のがよかったのか?」



と、さも意外そうな顔をされる。



(別にいいわけじゃない
けど……)



ぶっちゃけブランドなんて
興味もないし、出勤用のは
充分間に合ってるから
わざわざ欲しいとは思わない。



ただ、ホステスに媚び
たくて渡すんなら、誰でも
それくらいの物は用意する
でしょってこと。
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