オフィスの甘い罠
キャップを開けてみて、
気づいた。



「万年筆………」



そこには特徴のある金色の
ペン先がついてる。



そしてそれが万年筆だと
わかった時、あたしは
ハッと思い出した。



「これもしかして、
アンタの手帳のと……?」



「そっ。

一緒になってたからお前
あの万年筆使ってるけど、
書きにくいんだろ?

時々不満そうな顔してるもんな」



「………………」



驚きで、また言葉が出なかった。



(気づいて……たんだ……)



というかそれは、あたしで
さえ今言われて初めて
気づいたようなことなのに。




秘書に就任した日に柊弥
から渡された、彼の
スケジュール帳。



柊弥はそれをメモ帳代わり
にも使ってて、あたしは
しょっちゅう、あの手帳に
メモをとることを言いつけ
られてた。
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