オフィスの甘い罠
     ☆☆☆☆☆



その夜、あたしは夢を見た。



広くてキレイな洋館の
庭で、何人かが集まって
パーティーをしてる。



メンバーは社長と郁実
クン、見知らぬ男の人
(社長の旦那さんかな?)、

そして柊弥と、あたし。



パーティーの主催者は春日社長。



そしてあたしは、そこに
招かれたゲストだった。



おいしそうなお料理を
囲んでニコニコしている
みんな。



はずむ会話は、家族の
思い出話や近況報告。

お互いを気遣う言葉。



ステキなパーティーだった。



ステキな、家族の団らんの
光景だった。




――そしてその光景の中に。



……あたしはどうしても
溶け合うことができず……
笑顔を貼りつけて話を
合わせながらも、内心では
ずっと疎外感を感じてた。
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