オフィスの甘い罠
と、座って初めて、辞表の
置いてあった中央とは別……

机の右隅の方に、他にも
置かれている物があった
ことに気づく。



「これ………」



それは柊弥が梓に預けて
いたスケジュール帳だった。



仕事に関するメモも
たくさん書いてあるから、
たしかにこれがないと困る。



柊弥は無言でそれを手に
取り、留め具を外して中を
開いてみた。



背表紙に付属したペン
ホルダーがあり、そこに
ペンをさせるようになって
いるのだが……ホルダー
には、何もささっていない。



前に使っていた自分の
万年筆は、今は自分が
持っている。



梓に新しいのをプレゼント
したことで、梓がペンを
入れ替え、ここに自分のを
さして使っていたはずだ。



と、いうことは――…。




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