オフィスの甘い罠
久々に聞いた声に、久々の感情。
昔なら冷めた心でサラッと
流せてたはずなのに、今は
彼女の侮辱に素直に心が
反応してしまってる。
(ダメ――熱くなって
どうすんの、梓。
こんなの聞き流してればいい。
昔はいつだってそうしてた
じゃない――)
あたしは自分で自分を
なだめようとした。
でもるりちゃんはそんな
あたしの努力を踏みにじる
かのように、さらに
追いうちをかけて――、
「うちの親にも、梓ちゃん
東京で元気に水商売
やってるって言っとくよ。
……あ、でもあんま
意味ないかな?
梓ちゃんもお母さん
みたいに、いつ男の人と
どっか消えたりするか
わかんないもんねー」
「……………!!!」
――もう、限界だった。
どうしてなのかはわからない。
でも今日は、るりちゃんの
言葉が我慢できなかった。
昔なら冷めた心でサラッと
流せてたはずなのに、今は
彼女の侮辱に素直に心が
反応してしまってる。
(ダメ――熱くなって
どうすんの、梓。
こんなの聞き流してればいい。
昔はいつだってそうしてた
じゃない――)
あたしは自分で自分を
なだめようとした。
でもるりちゃんはそんな
あたしの努力を踏みにじる
かのように、さらに
追いうちをかけて――、
「うちの親にも、梓ちゃん
東京で元気に水商売
やってるって言っとくよ。
……あ、でもあんま
意味ないかな?
梓ちゃんもお母さん
みたいに、いつ男の人と
どっか消えたりするか
わかんないもんねー」
「……………!!!」
――もう、限界だった。
どうしてなのかはわからない。
でも今日は、るりちゃんの
言葉が我慢できなかった。