オフィスの甘い罠
「言ってるだろ。

オレが、お前の世界を
変えてやるって。

……何度も言わせんじゃねーよ」



「柊弥―――…」



――やめてよ。まだそんな
こと言ってんの?

こんな暗いあたしの過去を
聞いてもまだ?



そう思うのに……どうして
だろう。視界がぼやけ
そうなくらい、目頭が熱く
感じるのは。



「勢いだけで言ってるなら
……やめて。

おせっかいも同情も、
あたしはいらないのよ」



精一杯の虚勢で口にする
のは、ただの強がりだ。

そんなことももうハッキリ
わかってた。



だけど柊弥はその強がりに
さえも、真剣な瞳で
答えてくれる。



「お節介でも同情でもねーよ。

そんなことが心配なら、
言い方を変えてやる」



柊弥の大きな掌があたしの
頬に触れた。
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