大好きな君にエールを*番外編
「なぁ、いいよなぁ」
「うん。なんかあの飾り気のない笑顔がいいなっ」
体育の時間、一緒にたまっている男子達の会話が嫌でも耳に入る。
男子の視線は……バレーをしている倉橋へ向けられている。もちろん会話も、倉橋の話。
「康也、会話に入らなくていいのか?」
「だ…誰が入るかよっ」
「だってお前麻帆がす…」
「声がでけぇっつーの!」
倉橋はハッキリ言って、クラスの奴から人気がある。クラスに何人ぐらい倉橋を好きな奴がいるんだろうってくらい。
そりゃ…あの倉橋だから人気があるだろうけど。
だけど、本人は鈍感が入っているのか…人気があることに気づいていない様子。
─────…もちろん、俺の気持ちにも。