大好きな君にエールを*番外編
でも…気になる。倉橋って好きな奴…いんのかな?
「じゃあ、またねっ」
教室に着き、倉橋はニコッと笑うと高石の元へ駆けていった。その姿をぼぅっと目で追う。
「康也、顔…ニヤニヤすんな!」
だが、春の言葉によって目が覚めた。俺は慌てて否定する。
「な、ニヤニヤなんて…」
「だからー康也はわかりやすいんだってっ」
「……そんなにニヤけてたか?」
「鏡に相談してみれば?」
鏡に相談なんて女子じゃねーんだし。俺は気を取り直して自分の席へ向かった。春はついてくる。
「なぁ、まだ告白しねーの?」
「んな…バカ!声でけ…」
「見てる俺はかなーりむずむずしてんだけどー」
「…む、むずむず?」
「そ。お前が麻帆に告白しないことがな!」
お願いだから、春…声のボリューム抑えろって。