大好きな君にエールを*番外編
『そこで待ってて』
靴の上に、誰からかわからない短い文の可愛らしい紙が置いてあった。
「……誰?」
「絵柄的に女子なんじゃねー?告白ができないお前を慰めるとか」
「そんなのいらないし」
「じゃあ、帰る約束をしてる奴とか」
「そんな奴いないから」
差出人不明。だけど、変に鼓動が早くなる。
「待ってみれば?」
「……うん、そうする」
時間も何も書いていないからわからないけど。俺は春に手を振り、しゃがみ込んだ。
「三船どうなったかなー」
「きっとOKだろ?あの三船だぞ」
「うわぁー、俺も倉橋狙ってたのにぃっ」
下校する生徒がギャーギャー言いながら通りすぎていく。
俺も狙ってたよ、倉橋を。
だけど…三船に先越されちゃったな。