コスモス


……………

日曜日は至って快晴だった。キャンプの時といい、正真正銘僕は晴れ男だ。

いつもより念入りに髪をセットし、おろしたてのTシャツを着る。
新しいものを身にまとうと、なんだか心まで新しくなった気分になる。

新しい僕。
背筋が伸びる。

ドアをあけると、夏を待ちきれない太陽が僕を包み込むように待っていた。

梅雨の前の青空。
夏に生まれ変わる前の、最後の春の青空のようだった。


「…っしゃ。行くか!」


僕は駅に向かって、思い切りペダルをこぎ始めた。


…今日は明日可とデート。
2人きりの、初めてのデートだ。












< 104 / 449 >

この作品をシェア

pagetop