コスモス
明日可の言わんとすることが、ようやくわかった。
と同時に、胸の奥が締め付けられる。
…明日可は、僕のために普通のデートを望んでいたんだ。
明日可は普通の人が出来る事が出来ないことが多い。
それをずっと気にしていたじゃないか。
僕のために、なるべく『普通』の彼女でいたかったんだ。
「でも、やっぱ薬とかあるし…どうしてもみんなと同じにはなれないよね…」
明日可の頬に影が落ちる。
ズキンと、心臓が痛む。
…僕は今日、何度『普通のカップル』を意識した?
僕がそれを意識すれば、明日可にもそれが伝わる。
僕は今日、どれだけ明日可にプレッシャーを与えてしまったんだろう。
明日可が『普通のカップル』を望むことがあっても、僕がそれを望んではいけなかったんだ。
目の前で顔を夕日色に染める明日可を前に、僕は今日の自分を殴りたくて仕方なかった。
普通のカップルができることができなくたっていいじゃないか。
僕が望むべきなのは、『普通のカップル』なんかじゃなかった。
明日可がそばにいることだった。