コスモス


「…じゃあ…行かなきゃ。これ、ありがとう。機内でゆっくり見るね」

少し微笑んで、明日可は紙袋を持ち上げた。
みんなからの、餞別だった。


「…明日可…」


ミキが明日可に近寄る。
その手を、明日可が取る。


「…色々…ごめんね。ほんとにミキには…いつも助けられたよ。…ありがとう」


ミキの目尻に、滴が溜まる。
拭うこともせずに、ミキは明日可に言った。

「…そんな…お別れの挨拶なんていらないよっ!ミキは…絶っ対許さないからねっ!ミキを置いて、アメリカになんか行って…」

明日可が少し、うつむいた。
ミキの手に力が入る。


「許さないからね!元気になって帰ってこないと、ミキ絶対絶っ対許さないから…っ」


ミキの瞳から、ポロポロと涙がこぼれる。
明日可はそんなミキの手を強く、強く握った。

「うん…。うん、わかった。わかったから…ね?」


…明日可は、泣かなかった。

今泣いてしまうと、ミキが止まらなくなってしまうから。
だから…泣かなかった。


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