コスモス
……………
「明日可っ!!」
…エスカレーターを駆け上り、僕は無我夢中で叫んだ。
振り向くカズ達の向こうに、明日可の泣き顔が見える。
汗だくのまま明日可に駆けよる僕。
ゆっくりと足を進める明日可。
…人目もはばからずに、僕等は強く抱き合った。
「…ばか。間に合わないかと思ったじゃない」
「…わり、遅刻しちゃった」
そんな話は、どうでもよかった。
汗臭いだとか、涙で顔がぐちゃぐちゃだとか、そんなことも、どうでもよかった。
ただ2人、この瞬間に抱き合っていることだけが、
一番大切な事だった。
…気を利かせたカズ達は少し離れたところへと移動し、おばさんも軽く息をつき、「先に行ってるから」と呟いた。