コスモス
僕等は、ゆっくりと離れる。
そっと明日可の目元を拭い、僕は言った。
「…これ…俺からの餞別」
手に握った小さな紙袋を渡す。
一瞬僕の顔を見て、視線を紙袋に移す明日可。
「…何?」
ガサッという音の後、明日可の動きが止まった。
「これ…」
紙袋の中から、明日可はそれを取り出す。
…それは小さなアルバムだった。
一枚一枚それをめくる。
「…すごい…」
…全て、コスモスだ。
アルバムに詰まっている写真は、全てコスモスが写っていた。
一面雪景色の中に咲く、白いコスモス。
「…明日可、ウインターコスモス見たことないって言ってただろ。咲いてるとこ探して…今、撮ってきた」
髪をくしゃっとしながら、僕は呟いた。