コスモス
「ほんとは…生で見せたかったんだけど、場所が少し遠くて…。だから、写真で悪いんだけど…」
「…シュウ、これ今撮ってきたの?」
写真を見ながら明日可が呟いた。
「…うん。『今』この瞬間に咲いてる命を、見せたかったから…。」
…明日可に届けたかったもの。
それは、『今』生きている命。
明日可もそうであることを、僕は伝えたかったんだ。
「…明日可が帰ってきたら、一緒にこの場所に行こう。明日可の目で、このウィンターコスモスを見に行こう。この写真は…その、約束の証だから。」
明日可はキュッと、アルバムを抱きしめる。
「…うん。連れて行ってね。絶対…」
…次の瞬間、別れを告げるアナウンスが流れた。
別れがもう、すぐそこまで迫ってきていたのだ。