コスモス
……………
辺りが暗くなってきた。
遊ぶだけ遊んだ僕たちは、カズの親父さんが差し入れてくれた弁当を、夜ご飯として食べた。
…まだ星が出るには早い。
僕は、タケと2人で庭に出ていた。
「た…ぬき」
「きつね」
「ね…ねこ!」
「…コアラ」
「ら…ッパ!」
「…なぁ、これ定番すぎだろ」
タケが言い出したしりとり。
ありきたりな単語しか出てこない二人に、僕は思わず呆れてため息をつく。
「え!今のありきたり?」
「一番定番な単語の選択」
「まじかよ!俺結構考えたんだけどな~」
「ライオンにすればよかったか!」、そんなアホな事を言ってるタケが背にしたドアが開き、ロッジの中からカズが顔を出した。
タケがバランスを崩して転ぶ。
「なぁ、蚊取り線香知らねぇ?ここやっぱ蚊がいるわ」
「車から降ろさなかったっけ?」
僕は立ち上がり、ロッジの中へ入った。
間抜けなタケは、放置。
カズは荷物の中をくまなく探したようだった。
「出したつもりだったけど…やっぱ忘れたっぽいな。俺取ってくる」
親父さんから借りた車のキーを持って、カズはロッジを出ようとした。
「カズ君、車戻るの?」