コスモス
「女の子のポーチなんだよ?男の子になんか見られたくないに決まってるじゃん!」
ねぇ?と明日可に同意を求め、その背中を押した。
「ほらほら、行っておいで。早くしないと、ほんとに暗くなっちゃうよ!」
…ミキにそう言われると、僕たちは何とも言えなくなる。
ミキがイエスと言えば、それはもうイエスなのだ。
「…じゃ、なるべく早く帰るわ」
僕を気にしながらも、カズは明日可を連れて出ていった。
二人の背中を見送りながら、僕は自分の抱える嫌な感情に妙な焦りを感じていた。
「…ばかだなぁ」
2人が見えなくなった後、隣でミキが呟いた。
「そんなに他の男と2人きりにさせたくないんなら、須川君が一緒に行けばよかったのに」
もっともな意見を口にするミキ。
…確かにそうだ。
バカか、俺は。
「…そんなんじゃねぇよ」
そう言いながらも、僕はため息をついた。
相変わらず僕は空回りだ。
「んじゃ、須川君にはミキに付き合ってもらおっかな!」
んっと伸びをしながら、ミキは言った。
僕はその小さなミキに顔を向ける。
「コンビニ。買い物行くから付き合って!」